BRIEFING.108(2006.2.2)

幅4m未満の「道路」

道路法上の道路の種類には、高速自動車国道、一般国道、都道府県道、市町村道がある。これらの認定が重複して認定されている部分もある。

一方、建築基準法上は、次のいずれかに該当するものを「道路」といい、次表のように分けられる。但し、2つの号に該当する場合もあるため、種類分けというよりは、「道路」と認められる基準と言うべきだろう。

幅4m以上



 
42条1項1号
42条1項2号
42条1項3号
42条1項4号
42条1項5号
幅4m未満
 
42条2項
附則5項

建築基準法上、「道路」であるか否かは、それに面して建築物が建てられるか否かに係わることであり、大変に重要なことである。

さて、幅4m未満のものには2つあるが、1つは42条2項の道路(いわゆる2項道路)である。これは、法施行の際、現に建物が立ち並んでいた幅員4m未満の道で特定行政庁が指定したものである。原則としてその中心線から水平距離2mのセットバックをすることにより、建物を建てることができる。

もう1つは附則5項の道路(いわゆる附則5項道路)である。これは、市街地建築物法第7条但書によって指定された建築線で、その間の距離が4m以上のものである。一般には指定幅員が4mの場合が多く、したがって、この場合も中心線から2mのセットバックをすることにより、建物を建てることができる。

同じようなものであるが、その違いは、道路中心線がはっきりしているかどうかにある。

2項道路の中心線は、原則として民々で協議して定めるもので、行政は「指導」程度の関与をするのみである。したがって2項道路の両側の人が、それぞれ自分の主張する中心線から2mずつバックしても、道路幅が4mに満たないという状態が生ずる。

それに対し附則5項道路は、行政が元々管理していた道路なので、一般にその中心線を明示することができる。したがって争いも起こりにくい。

2項道路についても、何らかの方法で道路中心線を特定する制度ができないものだろうか(BRIEFING.77参照)。


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