BRIEFING.012(2001.11.26)

マンションの敷地の持分当たり単価(1)

同一棟内のマンションの価格は、どの住戸も同床面積(敷地の持分も原則同じ)、同設備、同内装、同用途であっても、その階層、位置によって異なるのが通常である。それは日照・通風・眺望等の差異から生じているものと考えられる。ではその価格差は建物価格の差か、土地(敷地の共有持分)価格の差か。都心部で最近分譲された4つのマンションについて、その土地建物の価格の内訳を分析することにより、次のような結果を得た。

  売主   規模(階) 総戸数
 (戸)
敷地及び建物共用部分の権利形態 敷地持分単価 土地建物の価格割合
公社 地上14、地下1  108 専有部分の床面積割合による共有  統 一   不統一
民間 地上15   40  統 一   不統一
民間 地上14、地下1   70  統 一   不統一
民間 地上14   81  不統一   統 一

ABCでは、敷地持分単価が統一されており、価格差はすべて建物に起因するものと扱われていることがわかる。これが一般的であろう。一方、Dでは、土地建物の価格割合を統一し、価格差をその両方に均等に配分している。不動産鑑定評価においてはこのように考えるのが一般的である。また、他に、建物に差がないのであるから価格差はすべて土地に起因するとする考えもある。これを整理すると次のようになる。

いずれの説に基づいて内訳が定められているかにより、次の点が問題となるのである。


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