BRIEFING.130(2007.02.28) 

土地の形状による減価

良い土地の形状が、正方形または長方形であることは論を待たない。丸い土地や三角形の土地、あるいはT字型、L字型、虫食いがある等の不整形の土地は、通常、建物の敷地として大変に使いづらいからである。

では、正方形や長方形(細長いものは除く)の土地に対し、不整形の土地の価格はどの程度劣るのであろうか。何%程度減価すべきなのであろうか。

財産評価基本通達では「かげ地割合」という概念を用いてその減価方法の一般化を試みているが、形状によっては導かれる結果が実態に即したものとならないことが知られている。

では市場の実態はどうであろうか。

現実には、同じ形状(接面条件も含む)であっても規模や地域の特性によってその減価の程度に大きな差が生ずるという事情がある。

たとえば、1,000uの三角形なら、同面積の正方形の3割減程度かも知れないが、100u程度なら半額にもならないだろう。

200u程度の三角形でも、容積率80%の地域ならまだましだが、600%の地域であれば、正方形に比べ半額程度ではなかろうか。

さらに「かげ地割合」には反映されない虫食いの位置、形状の違いが大きい。

これらの減価の程度を測る最善の方法は、その土地の具体的な利用方法を想定してみることであろう。

最有効使用の建物を建てて賃貸する、あるいは適当に分割して分譲する。そして、そこから想定される純収益で比較するのである。

しかし、三角形のオフィスと正方形のオフィスで賃料はどう違うか、端っこに生じた三角形の宅地と正方形の宅地とで価格がどう違うか、という類似の問題からは逃れられないのである。


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