BRIEFING.016(2001.12.27)

尺貫法に基づく換地確定図面

尺貫法は日本古来の度量衡の制度であり、長さ・面積・体積・質量についての単位を定めたものである。今でも和装の世界では尺や寸、建築・不動産の世界では間や坪の方が通りがいい。米や酒なら合や升である。真珠の重さは匁(もんめ)で計量するという。

さて、これらの単位の間の相互関係を誤ってはならない。

長さの単位、1間は1.81818mであるから、例えば2.5間なら約4.55mである。しかしこれを2間5尺と思ってはならない。1尺は10寸だが、1間は10尺ではないのだ。

戦災復興土地区画整理事業が早くに完了した地域における、ある商業地の取引に際しての事件である。

間口2.50間と換地確定図面に記載のある土地の売主が、これを2間5尺と説明し、仲介業者もまたそれを買主に2間5尺と説明していた。ところが1間は6尺であるから、2間5尺は約2.83間(約5.15m)となる。契約締結直前に買主が現地で測量して間口が足りないことに気づき紛糾、後日、価格を下方修正して契約締結に至った。

商業地であっただけに間口の大小は価格に大きな影響を与えた。

尺貫法の長さの相互関係は下表の通り。なぜか6進法である。なお、昭和41年の改正計量法により、尺貫法による定規や升などの製造販売は禁止されている。

0.166666 0.002777 0.000077 0.30303
0.016666 0.000462 1.81818
360 60 0.027777 109.09
12,960 2,160 36 3,927.27
3.30000 0.55000 0.00916 0.00025

※上表に寸はないが、寸は尺の1/10。
※上表の通り6尺が1間であるが、太閤検地の際には6尺3寸とされていたようである。


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