BRIEFING.175(2008.09.04)
防災用語の改善
地球温暖化との関連が疑われる“ゲリラ豪雨”がこの夏、いたましい事故を引き起こした。9月1日の防災の日には、これを教訓に各地で様々な訓練が行われたところである。
これからは台風シーズン。洪水や土砂災害に対する情報に注意を払わねばならない。
さて、平成18年6月、国土交通省「洪水に関する防災用語改善検討会」は「洪水等に関する防災情報体系のあり方について」の中で、防災用語の改善について提言している。
たとえば「警戒水位」を「はん濫注意水位」、「特別警戒水位」を「避難判断水位」に改めている。「破堤」は「堤防の決壊」、「越水・溢水」は「水があふれる」である。
そして河川の「右岸・左岸」は「○○市側」という具合に言い換えられる。
確かに河川の右側・左側と言われも、見る方角によって逆になり、上流から下流を見て、というルールを知らなければ理解できない。
しかし「○○市側」というのも、もしその川が市の中心を流れておれば、その片側の地名で表現することになり、その地名の位置関係が分からなければ、やはり理解できない。西側・東側と言えばどうかとも考えられるが、川が蛇行していればかえって混乱する。
やはり右岸・左岸にも、長い間使われてきただけに便利な面がある。
また「堤内・堤外」は「堤防の居住側・川側」と改められた。
これもどちらが内か外かを知らないと理解できない。川が堤防の間にある、と考えるのではなく、宅地や農地が堤防にかこまれて守れられている、と考えると理解しやすいのだが・・・。
電車のホームで「白線の内側に下がって・・・」というアナウンスを聞き、「外側」ではないかと違和感を持つ人がいる。「下がって・・・」で理解はできるが、堤防同様、内外の感じ方は様々かも知れない。