BRIEFING.219(2010.03.25)

今年の地価公示は「ショック公示」

今年も地価公示法に基づき、1月1日現在の標準地の単位面積当たり価格が公示された。

それによると1年間の変動率は、全国平均で住宅地▲4.2%、商業地▲6.1%となり、いずれも下落幅が昨年より拡大している。

三大都市圏平均で見ると、住宅地▲4.5%、商業地▲7.1%と、全国平均より下落率が大きいことが分かる。

また三大都市圏について見ると、商業地では東京圏▲7.3%、大阪圏▲7.4%、名古屋圏▲6.1%、住宅地では東京圏▲4.9%、大阪圏▲4.8%、名古屋圏▲2.5%であった。

近年は、2007年の「チャイナ・ショック」に始まり「サブプライム・ショック」、これに関連して「パリバ・ショック」「リーマン・ショック」、さらに2009年の「ドバイ・ショック」「ギリシャ・ショック」、年が明けて「トヨタ・ショック」といった有様である。

加えて今年は「チャイナ・ショック」の再来も懸念されているという。

このように、世界は不況から立ち直れないうちに次々と「ショック」に見舞われている。これでは日本の政権交代もかすむ。

そこで今年は「ショック公示」と名付ける。

世界のできごとに日本の地価がかように翻弄されるとは。改めて経済のグローバル化を実感するものである。

近年の地価公示につけたニックネーム、及びその前年の主な関連事項は次の通り。

平成22(2010)年 ショック公示・・・・・・政権交代。官民ファンド。空室率上昇。
平成21(2009)年 百年に一度の危機公示・・リーマン・ショック。世界同時不況。
平成20(2008)年 サブプライム公示・・・・外資引上げ、建基法厳格化。マンション低調。
平成19(2007)年 デフレ脱却公示・・・・・海外マネー流入。グローバル化。
平成18(2006)年 ファンド・バブル公示・・還元利回り低下。物件取得合戦。

なお、これ以前の地価公示のニックネームは、BRIEFING.72を参照されたい。


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