BRIEFING.254(2011.07.28)

標準的画地規模と最高価画地規模

地域における標準的画地規模は、その地域における最頻出規模、或いは中庸的規模と言ってよい。そしてそのような規模に区切られて土地が利用されてきたということは、それがその地域においては最も利用しやすい規模であったからと考えられる。

そうすると、そのような規模の土地の単価は、その地域の中で、最高価を示すものと考えることができる。

例えば、200uが標準的な地域においては、300uや100uの土地の単価は、200uの土地の単価を下回るのが普通である。200u程度の区画割りになってきたということは、それくらいが使いやすさと価格の面から一番需要が多く、単価も高いはずというわけだ。

しかし、需要は時代で変化するが、一度できあがった区画割りは簡単に変わることはない。

地価が上昇して200uの土地を買える人が少なくなり、100uに需要が移ってくることもあろう。だがすでに建物を建てて人が住んでおれば、200uから100uへの区画割りは進まず、また仮に200uの売却予定の更地があっても、間口・奥行の関係で、半分には切りづらいかも知れない。

そういったわけで、現実には、標準的画地規模と最高価画地規模とが一致しない場合の方が多い。標準的画地が最高価でないのである。

では、その地域における地価水準とは、どちらの規模の画地の価格を指すのだろうか。前述の例で考えてみる。

最頻出規模、或いは中庸的規模が200uから100uに変化すれば、100uの単価が地域の地価水準といってよいだろう。しかしそこまで変化はしていないものの取引の中心はすでに100uといった場合はどうか。

仲介市場では、100uの単価をもって“相場”と見るだろう。一方、鑑定評価の世界では、最頻出・中庸の観点から、200uの単価をもってそれを判断すると考えられる。

画地規模が、画地の単価に及ぼす影響は案外大きい。地域の地価水準は、どれくらいの規模の土地を基礎として語られているものか、そういった面を見落としてはならない。


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