BRIEFING.318(2013.11.12)
標準画地の認識
土地の比準価格は、その土地の存する地域の価格水準(地域における標準画地の価格といってよい)を把握した上で、その土地の個性を考慮して求められる。
「その地域の相場(価格水準)は40万円/坪だけど角地だからその5%増しだな」とか「普通なら50万円/坪ぐらいだが面積が大きすぎるから45万円/坪ぐらいかな」というのもこれと同じだ。「地域の相場」と「個性」とを区別して考えているのである。
ところが、標準画地の認識、例えば規模の認識が人によって異なる場合がある。
敷地規模200〜300u程度の一戸建住宅が多い地域に、敷地規模100u程度の一戸建住宅が増えつつある地域のがあるとしよう。
ある人は250uが標準画地規模と認識し、またある人は100u程度と認識するだろう。そうすると、地域の価格水準にも認識の相違が生じると考えられる。一般に小規模な宅地の方が、総額が抑えられるため、単価は高くなりがちであるからである。
今、AB2人の人が100uの土地の価格を求めようとしているとする。
A:250uが地域の標準で、地域の価格水準は15万円/u位だろう。
B:100uが地域の標準で、地域の価格水準は16万円/u位だろう。
A:求める土地が100uで小さいから、5%増しで16万円/u位か。
B:求める土地も100uで平均的だから16万円/u位だろう。
このように、標準画地規模の認識が違っていても、結論は一致するというのが普通、いや理想と言うべきだろうか。
標準画地規模に正解がいくつかあっておかしくない。しかし、それを前提とした地域の価格水準の把握ができており、かつ、価格を求めるべき土地の個性を考慮した価格の比較ができておれば、結論は一緒になるはずである。
また、地域によっては、角地が大部分だとか、妙な形の土地ばかり、といった地域もある。しかし、必ずしも標準画地を角地と捉えたり、不整形地と捉えたりする必要はない。中間画地の整形地(そんな土地が1つもないとしても)と捉えても、価格水準の把握と個性の把握を誤らなければ問題ないのである。