BRIEFING.338(2014.07.02)

不動産関連業界における「○条○○」

法律で定義され、または種類分けされた物事で、適当な名称のないものに「○条○○」「○項○○」といった通称が与えられることがある。それを定めた法律の名称を省き、条・項・号によってその物事を特定している。

たとえば「100条委員会」「7条解散」といったもので、前者は地方自治法第100条に基づいて設置する特別委員会、後者は憲法第7条による衆議院の解散のことである。

このような通称は、同業種の人達の間でしか通じないものが多く、隠語と言ってもよい。今回は不動産業界及びその関連業界・周辺業界から、このような通称を紹介する。説明は大いに省略してあるので、詳細は各自お調べいただきたい。

●「1項1号道路」:建築基準法42条
 いわゆる公道。さらに「1項2〜5号道路」もある。
●「2項道路」:建築基準法42条
 いわゆるみなし道路。「3〜6項道路」もある。
●「12条点検」:建築基準法12条
 特殊建築物等の定期点検。毎年(または3年に1度)報告義務あり。
●「4号建築物」:建築基準法6条
 同条1〜3号建築物以外の建築物。
●「8条区画」:東京都建築安全条例
 避難経路とその他の部分を分ける耐火構造の区画。
●「34条12号区域」:都市計画法
 市街化調整区域内に市条例で定める区域。「11号区域」も。
●「1号消火栓」:消防法施行令11条
 屋内消火栓の種類。他に「易操作性1号消火栓」「2号消火栓」等。
●令8区画:消防法施行令(8条)
 開口部のない耐火構造の床または壁の区画。
●「7条検査」:浄化槽法
 浄化槽設置後、3ヶ月以降に行う法定検査。
●「14条地図」:不動産登記法
 各筆の区画・地番を明確にする地図。地籍図等。昔は「17条地図」。
●「5条森林」:森林法
 地域森林計画の対象となる森林。「2条森林」もある。
●「3条許可」:農地法
 農地の権利移動についての許可。「4〜5条許可」もある。
●「3号営業」:風俗営業等の既成及び業務の適正化に関する法律2条
 ディスコ等の営業。「1〜8号営業」がある。店舗型性風俗関連特殊営業の「1〜6号営業」も。
●「1号文書」:印紙税法別表第一
 不動産売買契約書等。文書の種類と記載金額等によって印紙の金額決定。

すべてご存じの方は、相当の業界通である。


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