BRIEFING.349(2014.10.30)

間違えた! 隣に新築!

米フロリダ半島の大西洋側、パーム・コーストのオーシャン・リッジBlvd(大通り)の両側には、区画整然と別荘用地が並んでいる。まだ更地が過半だが、一部の区画では別荘の建設が進められているところである。その大西洋に面している区画の1つに、ミズーリ州に住む夫妻が別荘を建てたという。

報道によると敷地は5,000平方フィート(約460u)、建物は3階建てで68万ドル(約7,300万円)をかけて新築された。道路からのアプローチにはタイルが貼られ、立派な椰子の木も植えられている。その正面からの姿は、リゾートホテルか宮殿かといった趣である。

ところがその後、その敷地は他人の土地で、自分の土地はその北隣の土地であることが判明した。施工会社が間違えて建ててしまったのである。

その敷地は、他人が購入後、更地のまま放置していたらしい。

施主、設計者、施工業者、本当の地主の間で、どういう解決が図られたかは報道されていない。

電気・ガス・上下水道といったインフラへの接続時にも気付かなかったのだろうか。

ところで、この別荘、現在売りに出されている。6ベッド、6バス、7,510平方フィートの建物で、売値は土地を合わせて335万ドル(約3億6,000万円)である。

広告によるとスパ付き温水プール、エレヴェーター、3台分のガレージもある。

施主は不動産管理の会社のオーナーで、全くの素人ではなかったらしいのだが。それだけにその無念さは如何ばかりか・・・。

確かに、近隣には、通りに沿ってほぼ同じ間口・奥行の画地が40区画以上もまっすぐ並んでおり、その間に枝分かれして街区を分ける道路もない(あっても海へ突き当たるだけだから必要なかったのだろう)。また、更地が多い上に、通りにこれといった目標物がない。間違えそうな条件は揃っていた。

だが、それだからこそ、十分に確認をするべきだったのだ。

さて、このような話は日本のある大手住宅メーカーにも、伝説として伝わる。今ご紹介したのと同様、隣の土地に新築してしまったというものの他、方位を間違えて建ててしまったというのもあったらしい。

これらについても、いかなる解決が図られたかは不明である。

今となっては武勇伝だ。是非とも聞かせていただきたいものである。


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