BRIEFING.420(2017.02.02)

H22年・27年の国勢調査確定人口と補間補正

一昨年(平成27年)10月1日には5年に一度の国勢調査が行われたところである。総務省統計局は昨年、その「確定人口」を公表し、日本の総人口が5年間で0.75%減少したことが分かった。

また、統計局はこれとは別に、調査のない5年の間、毎月1日の推計人口も公表している。

推計人口は、平成22年の国調確定人口を基礎に、その後の住民基本台帳登録者数の増減を加減して毎月の人口を「推計」したものである。そして、本来それが5年後の国調確定人口と一致するはずなのだが、そうはならないのが常である。

そこで統計局は、その5年間に生じた誤差を「補間補正」(5年間に均等に割り振る)することにより、遡及して過去の人口を更新している。平成23〜26年の各年10月1日の補間補正後の人口は、先月30日に公表されたばかりである。

それによると、全国で5年間に+192,947人の誤差が生じていたことが分かる。H27年の国調人口に対して0.15%(以下、補間補正率という)になる。住民基本台帳で把握しきれていない人口の増加だが、その原因について統計局は言及していない。住民登録をしていない長期滞在者や、住民票を残して海外で暮らしていた人の帰国が増えたのか。国調の漏れが減ったからか。あるいは出生届のない出生や生存者の死亡届があったからか。

5年間の補間補正数と補間補正率を、都道府県別に見ると、上位5都道府県は次の通り。

順位 都道府県 補間補正数
 広島  16,463人
 千葉  14,324人
 北海道  12,541人
 大阪  12,224人
 東京  11,880人

以下、兵庫、静岡と続く。最下位は▲10,613人の福島であった。理由は言うまでもなかろう。

順位 都道府県 補間補正率
 鳥取  0.62%
 山口  0.62%
 広島  0.58%
 岩手  0.52%
 島根  0.42%

以下、沖縄、新潟と続く。最下位はやはり福島で▲0.55%であった。

さて、これをどう見るべきだろうか。

東京の補間補正数が少ないのは意外だ。広島に多いのはなぜだ。また、母数が少ないとは言え、補間補正率上位5県の顔ぶれが不思議である。これらは人口減少の著しい県ではあるが、住民登録で把握していたよりはマシだったということになる。


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