BRIEFING.468(2018.05.21)

数字又はハイフン以外の文字を含む地番・家屋番号

不動産に関与しておられる方なら、登記事項証明書や、民事法務協会の運営する「登記情報提供サービス」で取得できる登記情報に触れたことがあるはずだ。後者はパソコンから入手でき、大変便利なものである。なお、未だにこれらを「登記簿謄本」と言い張るベテラン業界人もいる。

さて、登記されている土地・建物は、それぞれ地番・家屋番号によって特定される。1つの地番区域に同じ地番・家屋番号は存在しない。但し広島県及び山口県には山地番と耕地番がありその区分がなければ重複する地番が存在することが知られているが、詳しくはまたの機会とする。

この地番・家屋番号の大部分は、数字と「番」と「の」で構成されている。「1番1」、「2番1の3」、と言った具合だ。しかしたまに、甲乙、いろは等、それ以外の文字を含むものも見られる。「合併」、「番外」、といったものにお目に掛かることもある。

では、これらの他、地番を構成する文字にはどのようなものがあるのだろうか。

前述の「登記情報提供サービス」によって特定の地番・家屋番号を検索する方法としては、探している土地の地番を直接入力する方法以外に、「地番・家屋番号一覧」ボタンをクリックして、「地番・家屋番号選択」ダイアログから選択する方法もある。

そして「数字又はハイフンのみの地番・家屋番号」を選択し「表示範囲」を、例えば1〜10と入力すると、その番号と、それを親番とするすべての地番が表示されるのである。なお、ここで言うハイフンは、「番」や「の」を省略したものである

もう1つの選択肢は「数字又はハイフン以外の文字を含む地番・家屋番号」である。これらは下表の通りNo.1から10までのグループに分類され、そのグループ単位で範囲検索が可能(No.9、10を除く)となっている。

 
No グループ 文 字
 1 英字 A、B、C、D、E、F・・・V、W、X、Y、Z
 2 いろは い、ろ、は、に、ほ、へ
 3 カタカナ ア、イ、ウ、エ、オ、カ・・・レ、ロ、ワ、ヲ、ヰ
 4 干支 子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥
 5 方角 東、西、南、北
 6 内外 内、外
 7 上中下 上、中、下
 8 十干 甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸
 9 特殊文字
 
佐、新、号、大、横、官有、合、併、続、他、先、無、第、区、仮、自、至、合併、本番、番外、耕地、又、整、作
10 その他 No1〜No9以外の文字
 

数字又はハイフン以外の文字がこんなにあったとは驚きだ。「登記簿謄本」時代の方でも出くわしたことのない文字が多いだろう。特殊文字には「号」もあって住居表示と間違えそうだ。カタカナの「ヰ」はワ行イ段のwi。「イ」と聞き違えそうだ。「ヲ」と「オ」も同様だ。「ン」がないのは発音が聞き取りにくいからか、「ソ」と紛らわしいからだろうか。

さらに「その他」があるのだから奥が深い。


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