BRIEFING.507(2019.08.23)

地価公示・最高価格地の変遷(東京編)

地価公示法により、毎年1月1日現在の全国の標準地の価格が公示される。その地価公示も今年で50回目。そこで今回は、制度創生期の2年間(昭和45〜46年)、バブル期の2年間(平成2〜3年)、そして近年の2年間(平成30〜31年)について、最高価格地(ベスト4)を見てみる。

 年 順位   標準地(住居表示) 価格(千円/u)
S45 新宿区角筈1丁目 2,200
中央区銀座5丁目 2,200
中央区八重洲3丁目 1,350
中央区銀座6丁目 1,300
S46 新宿区角筈1丁目 2,380
中央区銀座5丁目 2,300
中央区八重洲3丁目 1,450
中央区銀座6丁目 1,400
H02 中央区銀座4丁目(2−15) 37,700 
千代田区丸の内3丁目(2−2) 37,700 
新宿区西新宿1丁目(7−1) 37,500 
千代田区有楽町1丁目(9−4) 35,000
H03 中央区銀座4丁目(2−15) 38,500
新宿区西新宿1丁目(7−1) 38,500
千代田区丸の内3丁目(2−2) 38,000
千代田区有楽町1丁目 (9−4) 35,000
H30 中央区銀座4丁目(5−6) 55,500
中央区銀座5丁目(4−3) 47,000
中央区銀座2丁目(6−7) 40,600
中央区銀座7丁目(9−19) 40,100
H31 中央区銀座4丁目(5−6) 57,200
中央区銀座5丁目(4−3) 49,100
中央区銀座2丁目(6−7) 42,600
中央区銀座7丁目(9−19) 42,000

創生期の昭和45年1位の新宿区角筈1丁目は今の新宿3丁目の旧三峰館敷地。ビックカメラ退店を経て今はヒューリックが新しいビルを建築中だ。銀座5丁目の銀座七宝ビル敷地も同額。1階の七宝店は銀座に似合う光景だ。但し翌46年には2位に後退している。3位は八重洲3丁目の現・2丁目東京建物本社敷地、4位は銀座6丁目の現・FOXEY銀座本店敷地だ。

バブル期の平成2年には銀座4丁目塚本素山ビル敷地と丸の内3丁目の東京商工会議所ビル敷地が1位。前者はハムの広告塔が目印で地下には有名寿司店「すきやばし次郎」がある。後者は隣接ビルとの共同建替えで、今は丸の内二重橋ビルの敷地の一部となっている。それに西新宿1丁目の松岡セントラルビルが僅差で続く。平成3年には塚本素山ビルと松岡セントラルビルが首位に並び東商ビルは3位に後退している。4位は有楽町1丁目の蚕糸会館敷地。

近年は銀座が上位を独占している格好だ。1位から順に、山野楽器、対鶴館、明治屋銀座ビル、銀座セブンビルの各敷地である。

標準地は、種々の事情で選定替えが行われるため、同一地点の長期的地価の変遷を辿ることは難しいが、今の都心の地価がバブル期のそれを大きく上回っていることは間違いない。市街地再開発の推進やオリンピック需要がその背景にあるものと考えられる。

次回は大阪編をお届けする。


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