BRIEFING.508(2019.08.30)

地価公示・最高価格地の変遷(大阪編)

前回は東京編(すなわち全国編)をお届けしたが今回は大阪編だ。前回同様、創生期・バブル期・近年の各2年間について、最高価格地(ベスト4)を見てみる。こちらも選定替えで同一地点の価格変動を辿るのは難しいが、登場する地域の顔ぶれの変遷が面白い。

 年 順位  標準地(住居表示) 価格(千円/u)
S45 北区曽根崎中1丁目 1,280
南区難波新地五番町 1,230
南区心斎橋筋2丁目 1,130
南区河原町1丁目 1,000
S46 北区曽根崎中1丁目 1,310
南区難波新地五番町 1,270
南区心斎橋筋2丁目 1,190
南区河原町1丁目 1,030
H02 北区堂島1丁目(1−25) 33,000 
中央区西心斎橋1丁目(4−5) 32,000 
中央区博労町3丁目(5−13) 30,000 
中央区難波1丁目(8−1) 29,000
H03 北区堂島1丁目(1−25) 35,000
中央区西心斎橋1丁目(4−5) 34,000
中央区博労町3丁目(5−13) 32,000
中央区難波1丁目(8−1) 30,500
H30 中央区宗右衛門町(7−2) 15,800
北区大深町(4−20) 15,000
中央区心斎橋筋2丁目(8−5) 13,200
北区梅田1丁目(8−17) 10,800
H31 中央区宗右衛門町(7−2) 19,800
北区大深町(4−20) 19,000
中央区心斎橋筋2丁目(8−5) 15,900
北区梅田1丁目(8−17) 12,800

創生期の1位、曽根崎中1丁目は今の曽根崎2丁目の梅田OSホテル敷地だ。2位以下の南区はその後東区と合併されて中央区となっている。難波新地五番町は今の難波3丁目御堂筋沿い、池田泉州銀行、心斎橋筋2丁目は心斎橋商店街のてんぐビル、河原町1丁目は今の千日前2丁目の三田製麺所(元・薬局)敷地だ。

バブル期の1位北区堂島は御堂筋と北新地・堂島上通りとの角、新山本ビル敷地だ。1階は現在サンマルクカフェ。2位は御堂筋を挟んで大丸心斎橋店の向かいで、心斎橋オーパの南隣、MIDOUSUJIビル敷地だ。3位は御堂筋グランタワー(当時はエプソン大阪ビル)敷地。4位は戎橋筋商店街の木造2階建店舗敷地。今はアクセサリー店だ。

近年の1位はタイガース・ファンが飛び込む戎橋の北東角、クリサス心斎橋敷地だ。H&Mが入居。グリコ看板の斜め向かいである。2位は大阪駅北側のグランフロント大阪南館敷地。ヨドバシカメラの西隣である。3位は心斎橋筋商店街のドラッグストア(元・ヤマハ心斎橋店)敷地、4位は大阪駅南側の大阪第一生命ビル敷地だ。なお、創生期もバブル期もキタが1位で以下ミナミ、しかしこれもH29年までで、H30年からは初めてミナミ(宗右衛門町)が1位となっている。

さて、インバウンド需要に湧く大阪だが、今の都心の地価は、まだバブル期のそれに追いついていない。その点は東京と大きく異なるところであり、認識しておかねばならない。


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