BRIEFING.71(2004.3.18)

底地の4つの意味

「底地」とは、宅地について借地権の付着している場合における当該宅地の所有権をいう(不動産鑑定評価基準)。この場合の借地権は、建物所有目的の借地権であり、借地借家法の対象となる借地権である。税法に基づく財産評価基本通達の「貸宅地」も概して言えばほぼ同義と言ってよいであろう。

ところが、「底地」と呼ばれているものはこれだけではない。

土地区画整理事業における仮換地の、実際の所在地のことも「底地」と呼ばれる。仮換地は登記簿上、従前地番のままであり、現実の所在地は示されてはいない。そこで現実の所在地を知るために「底地証明書」を施行者に交付してもらうことがある。

これと類似した用法であるが、不動産登記の世界において、登記簿上の建物の敷地のことを「底地」とよぶ場合がある。家屋番号とその「底地」の地番が合わない・・・というような使い方をする。

さらに、建物の敷地の内、実際に建物がのっている建蔽部分を底地と呼ぶ場合もある。誤用とも考えられるが、少なからずこのような用法が認められる。

これらを整理すると次の通りとなる。

(1)借地権の付着している宅地(貸宅地)
(2)仮換地の現実の所在地
(3)登記簿上の建物敷地
(4)建物の敷地のうちの建蔽部分

なお、足袋の底の素材も「底地」であるが、この場合は「そこじ」、石垣島の「底地ビーチ」は「すくじ」となまるのが正解である。


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