BRIEFING.72(2004.3.29)

平成16年地価公示は「変化の兆し公示」

地価公示法第6条の規定に基づき、標準地の価格(1月1日現在)が、今年も発表されました。その信頼性を疑問視する発言も見られますが、各地域の標準的な更地の価格が、全国の都市計画区域に渡って調査されており、その意義は大きいものと考えます。

さて、ここ20年間の、毎年の地価公示に、その特徴や時代背景からニックネームを付けてみました。「○○国会」や、「○○国体」の如く、将来も印象に残るものになればと思います。右にはその年の主な関連事項を記載しました。

昭和60年 ニューメディア公示・・・・東京圏でビル不足の予想。G5でプラザ合意。
昭和61年 国際金融都市化公示・・大都市商業地53.6%アップ。前川リポート。
昭和62年 4全総公示・・・・・・・・・・ビル建築ラッシュ。買換え需要増大。
昭和63年 地上げ公示・・・・・・・・・東京圏住宅地68.6%アップ。郊外へ波及。
平成 1年 監視区域公示・・・・・・・消費税導入。土地基本法施行。
平成 2年 土地基本法公示・・・・・不動産融資総量規制実施。
平成 3年 総量規制公示・・・・・・・東京・大阪圏で地価調査価格下落へ。
平成 4年 バブル崩壊公示・・・・・公示価格17年ぶり下落。地価税課税実施。
平成 5年 地価税公示・・・・・・・・公示価格2年連続下落。路線価は初の下落。
平成 6年 相続破産公示 ・・・・・公示価格3年連続下落。相続評価の逆転も。
平成 7年 固都税7割公示・・・・・阪神大震災。住専処理で公的資金導入決定。
平成 8年 不良債権公示・・・・・・地価税率引下げ。固都税負担調整拡充。
平成 9年 倒産・失業公示・・・・・北拓・山一・三洋証券破綻。消費税率5%に。
平成10年 資産デフレ公示・・・・・地価税課税停止。長銀・日債銀国有化。
平成11年 失われた10年公示・・ゴルフ場破綻相次ぐ。マンション建設は増加。
平成12年 流動化公示・・・・・・・・定期借家制度施行。民事再生法施行。
平成13年 ビッグバン公示・・・・・都市再生本部発足。Jリート上場。
平成14年 2003年問題公示・・・・総合デフレ対策発表。ビル空室率上昇。
平成15年 都心回帰公示・・・・・・2003年問題収束か。賃料水準は低迷。
平成16年 変化の兆し公示・・・・都心部で下げ止まり感。二極化。

それぞれの時代を思い出していただくことができるでしょう。


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