BRIEFING.010(2001.11.12)

T.P と O.P

国土地理院の地形図に表示されている標高は、T.Pを基準に表示されている。

T.Pとは東京湾平均海面(または平均中等潮位)であり、日本の地図の大部分はこれを基準に標高を表示している。そして測量法施行令第2条において日本水準原点(東京都千代田区の尾崎記念公園に設置されている)から−24.4140mがT.P0mと定められている。

また、地下に地下鉄や導水管等を通すための権利である区分地上権の登記においても、その設定の範囲をT.Pで表示することが一般的のようである。

区分地上権は、登記簿の乙区欄に表示され、その範囲については「東京湾平均海面下○mから、上○mまでの間」のように記載される。また特約として「東京湾平均海面下○m以下は掘削し、又は土地の形質を変更しないこと」等定められる。

一方、大阪圏においては、地盤面の標高をO.P(大阪湾最低干潮面または工事基準面)で表示した地形図が作成されることがある。

したがって、入手した地形図からわかる現況地盤面の標高がO.P表示であり、そこに設定された区分地上権の範囲がT.P表示である場合、現況地盤面から区分地上権設定範囲までの距離を知るためには、O.PをT.Pに換算する必要が生ずることになる。

さて、O.Pは大阪府茨木市福井にある三十八神社近くの国土地理院基準点「F21」から−65.4235mと定められている。すなわち「F21」はO.P65.4235mである。同時にこの点はT.P64.1235mであることがわかっている。つまりO.P=T.P+1.3000mということになる。これにより換算は容易にできる。

なお、T.Pは東京ペイル、O.Pは大阪ペイルであり、ペイルはオランダ語で水面という意味である。水面下の国土が多く、古くから治水工事に長けたオランダの技術が早くから日本に導入されたことの証ではないだろうか。そういえば、大阪市が招聘(明治25年)し、淀川の治水工事等で活躍したお雇外国人技師ヨハネス・デ・レーケもオランダ人であった。


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