BRIEFING.113(2006.5.18)
DCF法の位置づけ
不動産の価格を求める鑑定評価の手法の1つ、収益還元法には、次の2つがある。
@直接還元法
ADCF法
@は単年度の純収益を還元利回りで還元するものであり、Aは収益期間中の毎期の純収益の現在価値及び収益期間満了時における復帰価格の現在価値の合計を求めるものである。
Aの“復帰価格”は@の手法で求められるのが一般的であるから、Aの手法の一部を取り出したものが@の手法、またはAを簡略化したものが@の手法であると言えよう。
収益還元法を、別の観点から次の2つに分けることもできる。
ア.永久還元法
イ.有期還元法
前述の@は、分類の観点が異なるものの実質的にはアと同じものと言って良い。そしてAは、イとアの両方を組み合わせたものである。
@=ア
A=イ+ア
ということになる。
ところで、一般に、@よりAの方が精度の高い収益価格が求められると考えられている。
なぜなら、Aの内のイの部分には、今後数年間の毎年の純収益の見通しが具体的に織り込まれているからである。
@には、イの部分がなく、今後永久に得られるであろう純収益に依存するアの部分のみで成り立っており、おおざっぱと言わねばならない。Aも後半のアの部分は同様である。
しかし、イの部分の見通しがはっきりしないのに、Aの手法を採用しても無意味である。下手をすれば@の手法より、説得力を失うことになる。
単にAを採用すれば、@より説得力のある評価ができると考えるのは誤りである。説得力ある予測ができる場合にAを採用することが可能なのだと言うべきである。