BRIEFING.127(2007.01.09)
リセールバリューの視点
新車を購入する際、転売時の価格を気にする人は多い。この転売価格をリセールバリューという。
マンションを購入する場合にもリセールバリューは気になるものである。
一般に、リセールバリューの下落しにくいマンションは、設備の充実度よりも立地条件の良さが魅力のものと言われる。駅から近い、周辺の利便性が高い等のものである。
それは、マンションの価格を仮に土地と建物とに分けた場合、土地の割合の高いものと言い替えることができよう。
このことは、建物が必ず劣化してゆくのに対し、土地は(デフレでない限り)価値を維持すると考えられるところ、その劣化しない土地部分の多いものほど価格が下がりにくいと考えられるから、と説明できる。
分譲価格が同じでそれぞれに適正な価格なら、郊外の高級設備のマンションより、都心の簡素なマンションの方が、リセーリバリューが維持できる可能性が高いと考えられる。
土地がいくらで建物がいくら、という考え方はひと昔前の考え方で、今はいくらで貸せるのかで価格が決まる、と言われる。しかし、その賃料が永遠に続くわけではない。特に純賃料ベースでは逓減も早い。
したがって、それがいつまで維持できるのか、いつまで使用に耐えうるのか、朽廃したあとの残存価値はどうか、という有期の視点も必要である。
また、一棟のマンションの中でも、上層階、特に最上階はリセールバリューが下がりにくいと言われる。建物が古くなっても、眺望を生み出す「空間に占める位置」は劣化しないからである。
但し、階層による価格差を、建物に求めた(建物起因説、BRIEFING.12、13、14参照)場合、建替えに際して「空間に占める位置」の良否が評価されないため、建替えが具体化する頃に急激にリセールバリューが下落するかも知れない。建物価値が0になったとすれば、最上階でも最下階でも、残った価値は敷地の共有持分のみと考えられるからである。
土地は永久、建物は有期とすれば、マンションの価格や賃料について、土地・建物の内訳を意識することも重要である。