BRIEFING.186(2009.01.08)

公開空地の維持管理費の負担

総合設計制度(建築基準法第59条の2)の適用により、容積率等の緩和を受け、公開空地を提供しているビル、マンションは多い。

所有者は、地域に定められた容積率を越える規模の建物を建てることができる一方、敷地の一部を地域に公開してその維持管理をも担ってゆかなければならない。

さて、この制度によって建てられた賃貸ビルのテナントは、共益費(管理費)として公開空地の維持管理費をも負担すべきであろうか。

そもそも共益費の内訳や意義はあいまいな場合が多く(BRIEFING.105参照)賃料の1割程度といった“相場”によって定められている場合も多い。しかし、実費相当額と約定されている場合、その内訳として問題となる。

また、テナントが一棟借りで、一切の日常管理をも引き受けている場合も問題となる。

公開空地があったとしても、床面積も割り増しされているのであるから、床面積当たりにしてみればその維持管理費は過大ではなく、テナント負担としても問題ないかも知れない。また、現にテナントがその公開空地による環境の恩恵を受けているのであるからテナント負担は当然とも考えられる。

しかし、公開空地の提供と維持管理の見返りとして総床面積が増え、賃料収入も増えると考えれば、オーナーが負担すべきである。それに、公開空地は地域に公開されているのであるから、その環境をテナントが独占的に享受しているわけではない。

ところで、「交通上、安全上、防火上および衛生上」支障がないことが条件とはいえ、通常の容積率を越える建物が、地域の道路や下水道に通常以上の負荷をかけることは否めず、公開空地はその代償とも考えられる。

とすれば、地域に対して、オーナーとテナントが連帯して責任を持って維持管理してゆくことが重要であり、結局の所、賃料と合算の上、他のビルとの競争の中で、負担方法や金額が決まってゆくことになろう。

総合設計による公開空地に限らず、屋上や壁面の緑化義務に伴う植栽も増えてきた。日々灌水が必要で、植物が弱れば植え替え、元気ならば剪定が必要だ。

いずれにしろ、どちらもが責任を果たさないという事態は避けなければならない。


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