BRIEFING.208(2009.09.17)

取引時点のタイムラグ

地価公示・地価調査の“違和感”は、(1)時点の問題と(2)時間の問題に分けられ、(1)については @公表ラグ、A決定ラグ、B事例ラグの3つからなるであろうことを以前に述べた(BRIEFING.171参照)。

@〜Bのうち、@は価格時点がいつであるかを理解していれば問題はない。またABも時点修正によりカバーしている(その精度についてはここでは言及しない)ので一応問題なしと言うことができよう。

しかしこれらに加え、C取引ラグ、D契約ラグ、とでも言うべきものもある。売買の意志を固めてから実際に取引が行われるまでに経過する時間である。

一般に取引事例比較法で採用する取引事例の取引時点は、文字通り取引(代金決済、引渡、登記移転)の時点である。

だが不動産の取引には多額の金銭の準備が必要であり、各種書類の準備、登記、引っ越し等、不慣れな作業が伴うことが多いため、売買契約の締結から実際の取引までには、相当の期間をおくことが多い。

特に、ローンの申込み・審査、買換えの場合の売却、未登記建物の登記、筆界確認、地積更正等が必要となれば、その期間はかなり長くなる。建売住宅なら竣工まで待たねばならない。

この契約から取引までの期間がCである。

さらに売買の申込みに対して承諾の意志を固めてから、その意思表示をし、実際に契約書に調印するまでにも若干の日数がかかるだろう。

手付金の用意や必要書類の準備が必要だし、誰かに相談したり、決済を仰がなければならない場合もあろう。

この意志を固めてから調印(契約締結)するまでの期間がDである。

価格水準の変動がほとんどない時期ならよいが、大きい時期には問題となるし、小さい時期でも、買換えや筆界確認には第三者がからむため長引きやすく、そうするとやはり無視できないことになる。さらにその間に大地震や何とかショックでも起これば、価格水準の方向性を見誤ることにもなりかねないのである。


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