BRIEFING.326(2014.02.24)

幽霊の多い都道府県(1)

都道府県や市区町村の人口の変動を見る場合、国勢調査からの推計人口と住民基本台帳による人口とを区別する必要がある。取り紛れるとその動向を見誤ることになる。前者は直近の国勢調査(今なら平成22年10月1日)の人口にその後の住民基本台帳人口の増減を加減して推計した人口、後者は文字通り住民基本台帳に登録されている人口である。

日本全国では、なぜか後者の方が多く、その差は幽霊人口と呼ばれる。これを都道府県別に、率と数(平成25年4月1日)で見てみよう。上下3都道府県は次の通り。

    幽霊率(%)   幽霊数(人)
 1 和歌山県 102.9 兵庫県  89,206
 2 香川県 102.2 静岡県  72,870
 3 沖縄県 102.0 埼玉県  64,182
45 宮城県  99.7 宮城都 −6,715
46 東京都  99.4 京都府 −40,184
47 京都府  98.5 東京都 −73,581

上位の県には住民票を残して県外に出ている人が多いと思われる。逆に学生の町として名高い京都市を抱える京都府は、住民票なしで住んでいる人の率が日本一だ。東京都は学生に加え単身赴任者も多いだろう。

次に東京都の市部で見てみる(平成25年10月1日)。

   幽霊率(%) 幽霊数(人)
 1 三鷹市 103.5 八王子市  16,800
 2 小金井市 103.0 三鷹市   6,272
 3 八王子市 103.0 府中市   4,110
24 昭島市  98.8 あきる野市  −984
25 羽村市  98.8 昭島市 −1,400
26 武蔵村山市  97.8 武蔵村山市 −1,558

三鷹市、八王子市に幽霊人口が多く、武蔵村山市に少ないというのはどうも頷けない。

町村部も含めると、率の上位は新島村(107.0%)、神津島村(105.9%)、三宅村(105.8%)といずれも島部である。住民票を残したまま本土に出て行った人が多いのだろう。

しかし一方で、率の下位も青ヶ島村(88.2%)、小笠原村(89.8%)、御蔵島村(91.4%)と、島部である。小笠原村には、海上自衛隊の基地(硫黄島、南鳥島)や、国土地理院、気象庁、海上保安庁、国立天文台の施設があり、そこに単身で勤務する人がいるからか。青ヶ島や御蔵島には公共工事や観光で一定期間定住する人が多いのであろうか。

但しこれらの村の人口は極めて少ない。僅かな人数差が率に大きく反映することに留意が必要だ。

次回は東京都23区、大阪24区で見てみる。


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