BRIEFING.345(2014.09.18)
老朽住宅用地の固定資産税・都市計画税
空家、中でも老朽化した空家が、防犯・防災・衛生・景観面で問題となっている。にもかかわらずそれらが取り壊されない理由としては、解体撤去費用の負担に加え、固定資産税・都市計画税の(小規模)住宅用地の特例が受けられなくなる点が上げられる。
これについては、BRIEFING.313(2013年9月12日)で指摘し、試算結果も示したところである。空家を残しておくことの節税効果は大きい。
さて、老朽空家に対する問題意識の高まりを受け、自治体によっては、一定の判断基準を設け、この特例のハードルを上げる動きが出てきた。また、国土交通省でもこの特例の見直しを検討しているとのこと。
では、この特例の対象となる住宅用地の「住宅」とはどのように定義されているのであろうか。
まず、地方税法第349条の3の2及び同施行令第52条の11を見てみると「住宅」の定義に深入りせず、併用住宅の場合にどの程度特例を適用するかにこだわりを見せていることが分かる。また、賦課期日現在の状態、共有の場合の扱い等を定めている。
しかし「住宅」とは何かについては具体的に定めておらず、自治省税務課固定資産税課長通知(平成9年4月)にやっとそれを見ることができる。要約すると、@特定の者が継続して居住の用に供すること、A居住していなくても、構造上住宅と認められ、かつ、居住以外の用に供されるものでないこと、の2点がポイントである。
「構造上住宅」を狭く解釈すれば、ある程度老朽化した住宅は「住宅」でないと言うこともできるのではないだろうか。
また、そもそも住宅用地(特に小規模住宅用地)に特例を設けて税の軽減を図った趣旨は、地価の高い都市でも狭小劣悪でない住宅に人が住めるように、ウサギ小屋と揶揄されない住宅に住めるように、ということであろうと思料する。
さすれば、防犯・防災・衛生・景観面で問題のある住宅の敷地まで特例の対象とすることは制度の趣旨に反することとなる。
確かに、建っている住宅が特例の対象となる住宅か否かの線引きは難しい。市がそれを調査して歩くのも大変な作業だ。簡易で客観的な基準を設け、十分な衆知期間を確保し、その間に調査を進める必要があろう。
調査の結果、基準外と判断されれば、相当の猶予期間を設けて所有者に善処を勧告し、その期間内に修繕または売却され、土地が有効に活用されるようになることが好ましい。改善されなければ特例の対象外とすることによって善処を促す。
制度の策定を急ぎ、実施は慌てずに進めたい。
防犯等の問題解決に加え、土地の流通と有効活用が促され、経済の活性化にも寄与するものと思われる。