BRIEFING.461(2018.03.30)
今年の地価公示は「過去最高訪日客公示」
地価公示法に基づき、平成30年1月1日現在の標準地の正常価格が官報公示された。
それによると、全国平均の住宅地の対前年平均変動率が、昨年の横ばいから+0.3%となり、10年ぶりに上昇に転じている。商業地は3年連続の上昇で、しかも0.9%、1.4%、1.9%と加速傾向にある。全用途平均で見ても同様で、0.1%、0.4%、0.7%と加速傾向である。
三大都市圏の対前年全用途平均変動率は、昨年の+1.1%から+1.5%となっている。
地方圏では、昨年の▲0.3%から0.0%になりようやく下げ止まったことが分かる。
地方圏の内、地方4市(札幌・仙台・広島・福岡)のみを見てみると、昨年が+3.9%だったところ、今年は+4.6%とさらに大きく上昇している。一方、地方4市以外は昨年▲0.8%、今年▲0.5%で、若干緩和されたとはいえ、下落が続いている。
住宅地の変動率上位を見てみると、1位は北海道虻田郡倶知安町の標準地(+33.3%)。そしてベスト10には、これを含めて北海道から3つ(すべて倶知安町で1〜3位独占)、沖縄県から6つ、福岡県から1つとなっている。
商業地については、やはり1位が倶知安町の標準地(+35.6%)で、ベスト10には、京都府から3つ、北海道・愛知県・兵庫県から各2つ、大阪府から1つとなっている。
なお、今年も福島第1原子力発電所の事故の影響で12地点は調査を休止している。なお、休止地点数は17地点(H24〜27)、15地点(H28)、12地点(H29〜30)と僅かずつ減少している。
さて、住宅地・商業地ともに上昇率1位の標準地がある倶知安町は、札幌市から車で2時間少々、JRなら函館本線で2時間半程度の町である。元々は、隣接するニセコ町ともども国内の上級スキーヤーが良質の雪を求めて訪れる田舎町であった。ところが10年ほど前から、季節が逆転しているオーストラリアの人達がスキーに訪れるようになり、今では各国から季節を問わず観光客が訪れ、さらには定住する街に変貌している。日本人を探すのが大変という。
大阪府においては、最高価格地が「キタ」から「ミナミ」へ移ったことが話題となっている。昨年1位は北区大深町「グランフロント大阪南館」だったが、今年は22.5%上昇した中央区宗右衛門町の「クリサス心斎橋」が逆転している。その周辺を歩く人の大半は外国人と思われる状況だ。
これらを裏付けるように「訪日外客数」(日本政府観光局公表)は、著しい伸びを見せている。2014年の対前年伸び率は6.3%、以降13.2%、14.3%と伸び、2017年には19.3%伸びて28,691,073人となって過去最高を更新している。
そこで今年の地価公示を「過去最高訪日客公示」と名付ける。
日本が外国から見直されるのは結構なこと。今後もそれに応えるべく、安全・清潔・快適な居住・娯楽・執務・労働・教育環境、そして合理的・安定的な不動産投資環境を構築してゆかねばならない。