BRIEFING.619(2024.06.05)

不動産IDと不動産番号(その2)

前回は、不動産IDの上13桁(即ち不動産番号)の内の上4桁(即ち登記所コード)の内の上2桁が、全国の法務局にどのように割り振られているかを見てきた。今回は、郵便番号、電話番号について見てみる。

まず、郵便番号はどうなっているのか。郵便番号の1、2桁目(地域番号という)は、原則として1都道府県に1つの番号が設定されているのだが、例外は多く、北海道、東京、大阪など18都道府県には複数の番号が設定されており、その他の29県には原則通り1つの番号が設定されている。北海道には00、04〜09、秋田県01、岩手県02、青森県03、東京都10〜20、神奈川県21〜25、千葉県26〜29、茨城県30〜31・・・(中略)・・・大阪府53〜59、京都府60〜62、奈良県63・・・(中略)・・・宮崎県88、鹿児島県89、沖縄県90、福井県91、石川県92・・・(中略)・・・山形県99が、それぞれ割り当てられている。東京から西へ進み、四国・九州・沖縄を経て北陸へ飛び北進するのだが、北海道と東北でやや混乱している。

なお、例外として他府県の番号を付している地域もある。例えば三重県桑名郡木曽岬町は、三重県の51ではなく、愛知県の49である。また奈良県吉野郡十津川村の竹筒地区は、奈良県の63ではなく和歌山県の64である。これらは、地形上・運送上の理由により、隣県の郵便局から集配した方が合理的で、その郵便局の存する県の番号になっているという訳だ。

次に電話番号(固定電話の市外局番)はどうだろうか。最初の2又は3桁に着目すると、北海道011〜016、青森県017、秋田県018、岩手県019・・(以下抜粋)・・・東京都03、042他、愛知県052他、大阪府06、072他、広島県082他、福岡県092他、沖縄県098他、鹿児島県099となっている。概ね北から南に振られているが、沖縄と鹿児島が逆転している。なお市外局番は、厳密には冒頭の0(国内プレフィックス番号)を除く1又は2又は3桁の部分のみのことであるが、ここでは0も含めて述べた方が分かりやすいと判断した。

市外局番の地域の区切りについては、市区町村の、及び都道府県の境界を跨ぐという例が、郵便番号の場合よりもっと多い。府県境を跨ぐ例としては、兵庫県尼崎市と伊丹市の一部の06(大阪府大阪市の市外局番)がある。かつて尼崎市には大阪市に本社を置く工場が多く、両者間の通話に際し、交換手を介する手間と高い市外通話料金を避ける目的でこのようになった経緯があると言われている。また兵庫県川西市、宝塚市の一部他は072(大阪府池田市の市外局番)である。これらは、概ね電電公社時代の「電話局」の管轄と同じであろうと思われる。

法務局、郵便局、電話局にはそれぞれの都合があり、それぞれの歴史があって、それぞれの付番がなされてきたのであろう。では総務省の「全国地方公共団体コード」はどうなっているのだろうか。

6桁からなる「全国地方公共団体コード」の1、2桁目は都道府県コードで、47都道府県に北から南へ01〜43の番号を振ったものである。北海道の01から始まり、青森、岩手、宮城と続き、東京は13、大阪は27、沖縄は47で単純明快だ。3〜5桁目を000として都道府県を表す。市区町村は、都道府県コードに続く3〜5桁目の部分の番号で表される。大阪府は27000で、大阪市は27100だ。

そして6桁目は「検査数字」と言われ、1〜5桁目の各数字に6、5、4、3、2を乗じ、その和を11で除し、その余りを11から引いて求められる数字の1の位の数字である。この計算が合っていなければ入力ミスがあると分かる仕組みになっている。例えば大阪市の場合、(2×6+7×5+1×4+0×3+0×2)÷11=4あまり7となり、11-7=4で、28100の後に4を付けて2810004となる。2811004はあり得ないから即、入力ミスと分かる。

不動産IDは、不動産業界のみならず広く社会で活用すべきで、他の番号との関連付けも望まれる。


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