BRIEFING.623(2024.09.26)

追加的に取得する場合を想定して査定する不整形地の減価率

利用しやすい土地の形状は、正方形または長方形である。そして多くの土地はその一辺が道路に面しており、これを中間画地という。これと異なり二つの道路に面する角地や二方路地、三つの道路に面した三方路地もある。一般的にはその方がさらに利用しやすいと考えられる。

ここでは長方形の中間画地を想定する。間口は10m、奥行は15mを基本(標準画地)とし、この奥行を15mずつ奥へ伸ばした場合の、土地の減価率を査定してみる。標準画地の単価は10万円/uとする。

  標準画地   @   A   B   C   D
間口(m)      10   10   10   10   10   10
奥行(m)      15   30   45   60   75   90
奥行/間口(倍)    1.5   3.0   4.5   6.0   7.5   9.0
地積(u)      150   300   450   600   750   900
単価(円/u)   100,000 95,000 80,000 70,000 62,000 55,000
 減価率(※1)  0.0% -5.0% -20.0% -30.0% -38.0% -45.0%
総額(千円)   15,000 28,500 36,000 42,000 46,500 49,500
差額(千円)   13,500  7,500  6,000  4,500  3,000
追加部分単価(円/u)   90,000 50,000 40,000 30,000 20,000
 減価率(※2)   -10.0% -50.0% -60.0% -70.0% -80.0%

奥行が長くなればその土地の単価が逓減してゆくであろうことは容易に想像できるが、どの程度逓減してゆくかは想像しにくい。まずは土地全体の減価率(上表※1)を直感的に査定するということになろうが、その結果を検証するため、、追加的に取得した部分のみの減価率(上表※2)がきれいに逓減しているかどうかを確認しておく必要がある。※2がどこかで上昇に転ずるという奇妙な結果が生じている場合もあるからだ。そのような場合は、※1を修正する必要があろう。

先に※2を査定する方法もある。追加的に取得する土地にいくら払えるかという視点で査定するのである。この時、限界効用が逓減してゆくことを忘れてはならない。

150uの土地の奥にもう150u追加的に取得する場合(@)、10万円/uは出せない。9.5万円/uくらいか。さらにもう150u(A)なら8万円が精一杯か・・・。この金額は、限りなく0円に近づくと考えられるが、現実には固都税が増える、管理の手間(草刈り等)が増える、雨水側溝の勾配が取れないといった理由から0円でもいらないということになろう。

この追加取得部分と従前部分の単価を加重平均すれば、全体の単価が求められ、その標準画地に対する減価率※1が出てくる。しかし、それが直感的な減価率に対し違和感があれば※2を修正する必要があろう。

この両面から考える方法は、様々な不整形地の減価率査定に生かせる。不整形地を、整形地部分と、よけいな角(つの)状、瘤(こぶ)状の部分に分けて、それを追加取得する場合を想定するのである。全体を見る大局観も大事だが、細かい判断の積み上げも大事だ。両者比較考量し妥当な結論を導きたい。


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