BRIEFING.625(2024.11.01)
角地加算率の査定(1)
不動産鑑定評価基準は、不動産の価格形成要因を、一般的要因、地域要因、個別的要因の3つに区分して考えている。個別的要因については、土地に関するもの、建物に関するもの、建物及びその敷地に関するもの、の3つに分けた上で、例えば土地に関する個別的要因として、@地勢、地質、地盤等、A間口、奥行、地積、形状等、B高低、角地その他の接面街路との関係、などを例示している。
価格水準が概ね等しい地域の土地の中でも、形状の悪い土地(三角形とか)、道路より低い土地などは安いし、二方路地や角地などは高い。そのような要因(個別的要因)を地域の価格水準(標準画地価格)に加味して、その土地の価格が求められるのである。
では、角地は標準画地価格よりどれくらい高いのだろうか。なお一般に標準画地は「中間画地」(一方向のみが道路に面する画地)である。
国税庁の財産評価基準書に基づくとどうだろうか。同書の「土地及び土地の上に存する権利の評価についての調整率表」に基づき、実際に存在する次の4つの角地について試算してみる。但し、角地以外の要因(奥行価格補正他)の混在を防ぐため、それぞれの画地の形状は、いずれも15m×15mの正方形と想定する。路線価は令和6年のものを採用した。
@東京都港区赤坂3丁目 田町通り接面 「対翠館ビル」
A東京都港区赤坂3丁目 田町通り接面 「赤坂グランベルホテル」
B京都市中京区長刀鉾町 四条通り接面 「京都三井ビルディング」
C京都市中京区長刀鉾町 四条通り接面 「京都フコク生命四条烏丸ビル」
@Aの正面路線価は同じである。そして@の側方路線価は正面とあまり変わらないが、Aでは半額以下だ。BCについても同様である。その結果、評価額の正面路線価に対する割合(角地加算率)は右端の通りとなった。
| 地区区分 |
道路の愛称 |
奥行 (m) |
路線価 (千円/u) |
奥行価格 補正率 |
側方路線 影響加算率 |
評価額 (千円/u) |
対正面 路線価 |
||
| @ |
正面 | 普商・併住 | 赤坂田町通り | 15 | 4,630 | 1.00 | 4,630 | 7.7% |
|
| 側方 | 普商・併住 | 赤坂地下鉄通り | 15 | 4,460 | 1.00 | 0.08 | 357 | ||
| 計 | − | − | − | − | − | − | 4,987 | ||
| A |
正面 | 普商・併住 | 赤坂田町通り | 15 | 4,630 | 1.00 | 4,630 | 3.5% |
|
| 側方 | 普商・併住 | 特になし | 15 | 2,020 | 1.00 | 0.08 | 162 | ||
| 計 | − | − | − | − | − | − | 4,792 | ||
| B |
正面 | 高度商業 | 四条通り | 15 | 6,030 | 1.00 | 6,030 | 8.2% |
|
| 側方 | 高度商業 | 烏丸通り | 15 | 4,960 | 1.00 | 0.10 | 496 | ||
| 計 | − | − | − | − | − | − | 6,526 | ||
| C |
正面 | 高度商業 | 四条通り | 15 | 6,030 | 1.00 | 6,030 | 2.4% |
|
| 側方 | 普商・併住 | 東洞院通り | 15 | 1,840 | 1.00 | 0.08 | 147 | ||
| 計 | − | − | − | − | − | − | 6,177 |