BRIEFING.626(2024.11.07)

角地加算率の査定(2)

前回、土地に関する個別的要因の内、接面街路との関係である「角地」について、標準画地に対してどれくらい高いか、その率(角地加算率)について考えてみるに当たり、国税庁の財産評価基準書の「土地及び土地の上に存する権利の評価についての調整率表」に基づき、実際に存在する次の4つの角地について試算してみた。

4つの角地は以下のビルのある角に想定した15m×15mの画地だ。@Aの正面路線価は等しく、BCの正面路線価も等しい。但し、@Bの側方路線の路線価は、正面路線価と近い価格だが、ACの側方路線の路線価は、正面路線価の半分以下だ。

@東京都港区赤坂3丁目 田町通り接面 「対翠館ビル」
A東京都港区赤坂3丁目 田町通り接面 「赤坂グランベルホテル」
B京都市中京区長刀鉾町 四条通り接面 「京都三井ビルディング」
C京都市中京区長刀鉾町 四条通り接面 「京都フコク生命四条烏丸ビル」

試算の結果、それぞれの角地の評価額は、正面路線価に対して、@は+7.7%、Aは+3.5%、Bは+8.2%、Cは+2.4%となった。

同じ角地でも、側方路線も賑やかな通りなら角地加算率も高く、寂しい側方路線なら角地加算率は低い。忘れてはならない視点である。

財産評価基準書の考え方なら、価格が(正面=側方)なら、側方路線影響加算率がそのまま角地加算率になり、(正面÷2=側方)ならその半分が角地加算率になるという訳だ。

なお、国税庁の定める側方路線影響加算率は、路線の地区区分によって少しずつ異なり、「普通商業・併用住宅地区」で0.08、「高度商業地区」で0.10である。そして、@Aの側方路線は「普通商業・併用住宅地区」であり、Bの側方路線は「高度商業地区」、Cの側方路線は「普通商業・併用住宅地区」であるから、側方路線影響加算率は、@ACは0.08、Bは0.10となる。

さて、貴殿のヤマカンによる角地加算率と比べてどうだろうか。上記試算結果の方が正しいと言うわけではないが、不動産市場で形成され収束してきた結果が、上記試算結果に一致するよう、調整率が査定されてきたとすれば、これもお手本の一つと言ってもよいだろう。

しかし、調整率に対しては、様々な不満や異論がある。特に不整形地補正率については、率が甘い(もっと減価すべき)との意見が多い。改善の余地はある。

ところで、赤坂の「田町通り」は現在「エスプラナード赤坂通り」と改称されているらしい。地元の「エスプラナード赤坂商店街振興組合」の公式Webサイトによると、「これまでの『赤坂田町通り』に未練を残す人もいましたが、いつまでも黒板塀の料亭や高級キャバレーを引きずる名称でもあるまいと・・・」ということで改称が決まったとのこと。

バブルの時代を知る皆様方は「田町通り」に様々な思い出をお持ちなのではないだろうか。


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