BRIEFING.627(2024.11.18)

地価水準と地積過大による減価の程度

近隣地域内の土地の価格は、一定の価格水準の内にある。そういう地域の範囲を「近隣地域」と称していると言ってもよい。但し近隣地域の中でも、個別的要因の相違によって、個々の土地の価格が異なるのは言うまでもない。例えば、標準的な画地規模に比して大きい(地積過大)あるいは小さい(地積過小)画地は、その価格水準を下回る場合が多い。

地域において、200uの画地が標準的で、その価格が20万円/uであるとすると、1,000uの土地は18万円/u程度(−10%)、といった具合である。ただ、その減価率がどれくらいかは判断の難しいところである。

逆に、接面状況(角地、二方路地など)に恵まれて区画割がしやすく、1,000uでも20万円/uで売れるかも知れないし、立地や形状によっては、マンション用地として希少性があって、もっと高く、25万円/u(+25%)程度で売れるかも知れない。しかしながら、大きいのに間口が狭く区画割が難しいといった画地なら、15万円/u(−25%)でも難しいということになろう。

その減価率の査定において見落としがちなのは、地域の地価水準である。その要因は、地域の地図や対象不動産の平面図を見ただけでは全く分からない要因である。

それは、区画割りに伴う工事費等の相対的重たさの違いである。

例えば、地価水準の高い住宅地、50万円の/uの住宅地を想定してみる。

1,000uの画地を、標準的な画地規模である200uに区画割りする際、私道を設け、給排水管や側溝を整備する必要がある場合が多い。高低差があれば、造成して擁壁を作る必要も出てくるし、樹木があればその伐採・抜根も必要だ。測量、設計も必要である。これらをまとめて1万円/uとすると、そのウエイトは、50万円/uに対し2%となる。大きくはない。

しかし、地価水準の低い住宅地、5万円/uの住宅地を想定してみると、そのウエイトは5万円/uに対し20%にもなる。

道路に取られる面積の大小による地価への影響の程度は、地価水準の高低に関係ないと考えられる。しかし工事費の大小による地価への影響の程度は、地価水準の高低に大きく影響を受けるのだ。

このことは、区画割を想定した開発法を試みてみればその結果が明らかになる。

地価水準の低い地域における開発法による価格は、取引事例比較法による価格より、大幅に低く求められてびっくりすることがある。したがって、価格水準の低い地域において取引事例比較法の個別的要因比較を行う場合、(区画割を必要とするほどの)地積過大による減価率は、思ったより大きく見ることが必要となってくる。

土壌汚染の存在、埋蔵文化財の発掘調査の必要性なども安い土地には大打撃だ。価格がマイナスになることがあってもおかしくはない。安い土地の減価の程度には要注意だ。


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