BRIEFING.008(2001.10.30)

御堂筋の真ん中に里道発見!

農地と宅地とが混在するような地域における土地の取引や開発において、里道(アカミチともいう)の範囲が問題となることがある。里道は法務局備付けの公図に赤く着色して示された道で「法定外公共物」のひとつで国有と考えられている。多くは幅員1間または半間(約90cm程度)であり、その範囲が明確でなかったり、位置さえ明確でなかったりとうい場合も多い。

さて、この里道は御堂筋の真ん中にも存在する。大阪の梅田と難波を南北に結ぶ御堂筋は幅員44mの国道で、大阪のメイン・ストリートと言えよう。なぜそこに里道があるのか。

江戸時代の御堂筋はごく普通の街路にすぎなかった。東本願寺の大阪別院(南御堂)と西本願寺の大阪別院(北御堂)が南北に並ぶ寂しい筋であったらしい。ところが大正15年着工の地下鉄建設とともに御堂筋は24間に拡幅されることとなった。1間は約1.818mであるから24間は現在の幅員44mということになる。拡幅に当たっては、旧御堂筋の両側において大規模な用地買収が行われたことであろう。

その痕跡が御堂筋の真ん中付近を南北に走る里道とその両側の道路用地である。ちなみにそれと交差する幅員6m程度の通りや、南北に走行する心斎橋筋や丼池筋は全面的に里道である。本町通りの真ん中にもある。

里道を正確に定義すれば、非認定道路のうち、公図において赤く着色されて示された道路ということができる。とすれば御堂筋は国道、その他の道路も市道等でいずれも認定道路であるから、厳密には里道とは言えない。しかし大都市の広幅員道路に赤く塗られた道が隠れていたとは。

なお、現在の法律用語に「里道」という言葉はないが、明治9年の太政官達60号には「国道」「県道」とともに「里道」という言葉が出てくる。そして大正8年の旧道路法施行とともに里道の一部は市町村道として認定され、その他は認定されないままとなっているのである。


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