BRIEFING.260(2011.11.07)

危険物等の「標識」「掲示板」「警戒標」

不動産の調査に出向くと、「危険物屋内貯蔵所」「危険物一般取扱所」といった表示を見かけることがある。「火気厳禁」「高圧ガス製造事業所」「LPガス供給施設」等、他にもいろいろある。さらに「危」「毒」「燃」といったものもあり、得体の知れぬ恐ろしさがある。

これらは「消防法」に基づく「危険物の規制に関する政令」を受けた「危険物の規制に関する規則」に定められた「標識」(規則17条)及び「掲示板」(規則18条)等である。

この規則では、「標識」の大きさを「幅0.3m以上、長さ0.6m以上の板であること」等と定め、色についても「地を白色、文字を黒色とすること」等と定めている。

給油所で見かける「給油中エンジン停止」は「地を黄赤色、文字を黒色」と決められており、可燃性固体の貯蔵所に必要な「火気注意」、可燃性固体の中でも引火性固体や自然発火性物質の貯蔵所に必要な「火気厳禁」は「地を赤色、文字を白色」とされている。

あまりお目にかかることはないが酸化性固体であるアルカリ金属の過酸化物等の貯蔵所には「地を青色、文字を白色」とした「禁水」の「掲示板」が必要である。

なお、「高圧ガス製造事業所」は「一般高圧ガス保安規則」に基づく「警戒標」で、「LPガス供給施設」及び「燃」は「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則」の「警戒標」である。

また、「危」は「危険物の規制に関する規則」に、「毒」は「毒物及び劇物取締法施行規則」に定められた「車両の前後の見やすい箇所に掲げなければならない」「標識」である。そして「燃」「毒」は「容器保安規則」に定められた可燃性ガス、毒性ガスの容器外面に記載する「文字」でもある。

さらに、原子力発電所、病院、工場、大学等では、三つ葉マークとも呼ばれる「放射能標識」を見かけることがある。これは「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行規則」に定められた「放射性同位元素又は放射線発生装置の使用をする室、汚染検査室及び管理区域の境界に設けるさくその他の人がみだりに立ち入らないようにするための施設」等に付することとされている「標識」である。

中央の小さな円から3つの扇が3方に出ているようなデザインで、日本工業規格に「放射能標識」として定められており、その上部に「放射性同位元素使用室」「放射性廃棄物詰替室」等の文字を記入しなければならない。

建物の調査に際しては見逃せない。


BRIEFING目次へ戻る