BRIEFING.29(2002.4.1)

こんな地目発見! 「井路」はイジか、イロか、セイロか?

地目とは、その利用状況に着目した土地の区分であり、不動産登記法施行令第3条に、下表上段の21種類があげられている。この他不動産登記事務取扱手続準則により、下表下段の2種類が追加されている。そしてこれは登記簿の表題部に記載される地目の例示ではなく、限定列挙であると理解されている。

施行令 田、畑、宅地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、墓地、境内地、運河用地、水道用地、用悪水路、ため池、堤、井構、保安林、公衆用道路、公園、雑種地(計21種類)
準則 鉄道用地、学校用地(計2種類)

しかし、これら以外の地目を登記簿に発見した。「井路敷」である。その土地の現況は、国道沿いの幅1〜1.5m程度の水路であり、所有者は地元の財産区(特別地方公共団体の一種)となっていた。

手元の辞書に「井路」または「井路敷」という言葉は見あたらない。しかし日本各地に「井路」と呼ばれるものは存在した。それらから考察するにその意味は、水路、灌漑用水路、といったところであろうか。一般的な水路よりも、高度な土木技術を駆使した、立体交差もあるような水路という印象も受ける。

さて、これをどう読むのか。大分県の昭和井路、明正井路、緒方井路はイロ、大阪府寝屋川市の観音井路はセイロ、同高槻市の番田井路はイジと読むようである。その他の地域の「井路」はどうであろうか。また正しい読み方というのは存在するのか、どうしてこのように様々な読み方が存在するのか。

登記簿に記載する建物の種類は、映画館、給油所等、その用途によって適当なものを定めることができることとされている。しかし地目については前述の23種類限定のはずである。「井路敷」のように23種類以外の地目は他にも多く存在するのであろうか。


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