BRIEFING.601(2023.06.26)
国土利用計画法の届出に基づく土地取引件数と面積
国土利用計画法では、土地取引の規制に関する措置として、@全国一般の事後届出制、A注視区域における事前届出制、B監視区域における事前届出制、C規制区域における許可制、の4つのメニューが用意されている。
@は全国どこででも適用される規定で、A〜Cは指定された一定の区域においてのみ適用される規定である。ちなみにACは未だ区域指定の実績がない。Bは平成バブルの際に各地で指定されていた区域で、現在では東京都小笠原村にのみ指定がある。
@Aについては、面積要件も定められており、次の一定の規模以上の土地のみに届出義務がある。したがって、全国どこでも適用される@であっても、以下の面積未満の土地取引なら届出義務はない。但し「一団の土地」と認められる場合は全体の面積で届出義務の有無が判断される。
●市街化区域・・・・・・・・・・・・2,000u以上
●その他の都市計画区域・・5,000u以上
●都市計画区域外・・・・・・・10,000u以上
国交省では、届出のあった@の土地取引について、各自治体からの報告を集計し、その件数と面積を毎月公表している。都道府県は北海道から沖縄県までの47自治体、政令指定都市は札幌市、仙台市、大阪市他、合計20自治体、これら67自治体それぞれについて、及びその合計について件数・面積が分かる。
2022年について、この届出を受けた自治体毎の数値を、取引のあった土地の存する都道府県別に集計(政令指定都市の数値をその存する都道府県の数値に合算)すると、その上位6都道府県は次の通りとなる。
件数(件) | 面積(ha) | 件数占有率 | 面積占有率 | |
1 | 東京都 199,574 | 北海道 47,691 | 13.09% | 30.31% |
2 | 神奈川県 115,341 | 岩手県 4,257 | 7.56% | 2.71% |
3 | 大阪府 107,650 | 宮崎県 4,222 | 7.06% | 2.68% |
4 | 埼玉県 94,805 | 千葉県 4,181 | 6.22% | 2.66% |
5 | 千葉県 85,435 | 鹿児島県 4,110 | 5.60% | 2.61% |
6 | 愛知県 76,998 | 岐阜県 4,019 | 5.05% | 2.55% |
件数では首都圏4都県と大阪・愛知が上位に並ぶ。この順位は少なくとも過去5年間不変である。面積では北海道が断トツ。しかも少なくとも5年連続1位で占有率30%以上である。誰が何の目的で買っているのか気になるところである。