BRIEFING.85(2005.1.13)

標準画地の規模をどう捉えるか

不動産の鑑定評価、特に更地の比準価格を求める場合において、個別性のある土地とその地域の標準的な画地とを比較する場面が2度ある。

1つは取引事例に係る土地の取引価格を当該地域における標準的な画地の価格(地域における地価水準)に補正する場面(標準化補正)であり、もう1つは対象不動産の存する地域における標準的な画地の価格(地域における地価水準)を対象不動産の価格に変換(個別的要因の比較)する場面である。

さて、これらにおいて比較すべき個別的要因の1つとして、画地の規模があげられる。標準的な画地の規模に比して大きすぎたり小さすぎたりすれば、地積過大、地積過小として一般的には減価の要因とされるのである。標準的な規模がその地域においては最も使いやすい大きさだと考えられるからである。

しかし、増価の要因と理解しなければならない場合もある。50〜60坪が標準的である邸宅街において、20〜30坪に分割された宅地は、多くのが場合、標準的な画地の価格(単価)を上回って取り引きされる。総額が手頃で需要が多いからである。

このような場合、20〜30坪を標準的な規模と捉えることもできる。この場合、形式的には地域の地価水準が上昇したことになる。そして50〜60坪の土地は地積過大として減価されることとなる。

しかし、20〜30坪の画地がまだ少ない地域においては、それを標準的と見ることには疑問がある。かと言って50〜60坪を標準的とすれば地積過小を増価の要因とせねばならず、これにも若干の抵抗があるのである。


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