BRIEFING.129(2007.02.19)

マンションの階層別価格と賃料

分譲マンションの単位面積当たり価格は、最上階が最も高く、下へゆくほど下落してゆくのが一般的(BRIEFING.12127参照)である。眺望を考えれば当然と言える。

その階層による価格差は、相当に大きい。

そして、分譲価格に相当の差があっても、高層階から成約済みのバラがついてゆくことが多い。

一方、各住戸を賃貸した場合、その賃料には、それほど差がない言われている。

したがって、賃貸目的で新築分譲マンションを買うのなら、低層階がお勧めという説も聞かれる。賃料に対して価格が割り安、つまり利回り(取引利回り)が良いという訳である。

しかし留意しなければならないのは、維持管理費等の必要諸経費等を控除した純収益ベースではどうかということである。


 
  賃 料  必要諸経費等  純 賃 料
円/月u 指数 円/月u 経費率 円/月u 指数
30  2,400 133   600  25%  1,800 150
20  2,000 111   600  30%  1,400 117
10  1,900 106   600  32%  1,300 108
 1,800 100   600  33%  1,200 100

上表は、各階の同じ位置・面積・設備の住戸の賃料、必要諸経費を想定し、純賃料を試算してみたものである。単位面積当たりの必要諸経費等はどの階も同じと仮定した。なお、ここでは必要諸経費等に減価償却費を含まないもの(BRIEFING.7492122参照)とした。

すると、純賃料の階層別格差は、賃料の階層別格差より大きくなることが分かる。これを同じ還元利回りで還元すれば、収益価格の階層別格差も、賃料の階層別格差より相当に大きくなることになる。

階層による価格差が賃料差を上回る現実は、以上のように説明し得る。市場は無意識のうちにこれを織り込んでいるのであろうか。

「低層階お勧め説」は、純収益利回りを考慮せず、取引利回りにのみ着目したものである点に留意しなければならない。

但し高額物件には賃料水準がついてこれないのが一般的であるため、面積の小さな「低額物件お勧め説」と言えば妥当かも知れない


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