BRIEFING.244(2011.04.04)

旧「かんぽの宿」のその後は

旧「かんぽの宿・層雲峡」など3物件が、2度の売買の末、高額な評価を得て大阪のゲームソフト販売会社に現物出資されていたという。

新聞報道によると、最初に日本郵政公社、及び年金・健康保険福祉施設整理機構からこれらの物件を取得したのは東京の温泉施設経営会社で、その売買価格は3億4,000万円だったという。その後同社は、収益が見込めないと判断し、これらを東京のコンサルタント会社に転売している。その売買価格は取得価格を下回る価格だったとのこと。

そしてこのコンサル会社が、これらを13億円と評価した上で、大阪のゲームソフト販売会社(現在は民事再生手続き中)に現物出資したという経過を辿ることになる。

13億円の評価に問題がありそうなことはもちろんであるが、ここでは取り上げない。

さて、最初に物件を取得した温泉施設経営会社は、日本各地に積極的に温浴施設を展開している会社である。その会社が「収益が見込めない」と匙を投げてしまったのはなぜだろうか。開業に向けての設備更新等にも手を付けていただろうに。

つまり、これらの物件は、予想以上に収益性に欠ける物件、予想以上に価値のない物件であったということになる。

何十億円かけたのだから・・・という評価は市場では通用しない(BRIEFING.190191196参照)。

その後同社は、「層雲峡」の建物の側面に大穴を開けたままで、これらの物件を転売している。大穴の目的は、増築の予定があったからとも、固定資産税逃れ(側面の穴で逃れられるか?)とも言われるがよくは分からない。

これら以外の旧「かんぽの宿」はどうなっているだろうか。売却価格に見合った収益を生んでいるだろうか。

放置したままとか、泣く泣く簿価割れで転売したというのも多いのではないか。

取得価格の何倍もの価格で転売に成功した例もあると聞くが、その後その物件はどうなっているだろうか。有効に活用されているだろうか。

温泉施設経営会社がこれらの物件を取得したのは2007年というから、リーマンショックの前年である。同社にしてみれば、悪いタイミングで掴まされた・・・、郵政公社にしてみれば、うまく売り抜けた・・・ということになるのではないか。

そうすると、大臣の一言で「かんぽの宿」を一括取得しそこなったO社は、大臣に感謝しているかも知れない。


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