BRIEFING.520(2020.02.25)
駅名変更でイメージ・アップ(2)
前回は、駅周辺の大規模施設や大学名を取り入れた駅名変更を取り上げた。今回は、神社・仏閣等の名称を冠する等、観光案内を意図したかのような駅名変更を紹介する。
阪急電鉄 |
服部 | 服部天神 |
中山 | 中山観音 | |
松尾 | 松尾大社 | |
京阪電鉄 |
浜大津 | びわ湖浜大津 |
皇子山 | 京阪大津京 | |
坂本 | 坂本比叡山口 | |
八幡市 | 石清水八幡宮 | |
京阪電鉄(鋼索線) |
八幡市 | ケーブル八幡宮口 |
男山山上 | ケーブル八幡宮山上 | |
JR西日本 | 東寝屋川 | 寝屋川公園 |
水間鉄道 | 水間 | 水間観音 |
京浜急行電鉄 |
花月園前 | 花月総持寺(3/14予定) |
産業道路 | 大師橋(3/14予定) |
これまで、すばらしい観光資源が駅の近くにありながら、それを活かせていなかったのだ。これらの変更は、鉄道会社にとってもお寺・神社にとっても有益である。
たとえば「中山」駅。これでは全く駅周辺のイメージが湧かない。「中山観音」とすることで、関西では有名な、安産を祈願する寺院だと分かる人もいるだろう。腹帯を授かりに行くお寺である。同様に「服部」「松尾」「坂本」では全く面白くない。「八幡市」はただの市の名前、「東寝屋川」も寝屋川市の東の方というだけだ。
花月園競輪場はなくなった(2010年)が曹洞宗大本山総持寺がある。利用せぬ手はない。また、「産業道路」では意味不明だ。だが「大師橋」なら川崎大師のイメージをお借りできる(「川崎大師」駅は別にある)。
これらは観光案内になる上、住宅地としても、伝統ある落ち着いた地域という感じを醸し、地域のイメージ・アップ、人気、価値の向上、延いては地価の上昇にも寄与するだろう。
これらの他、単に分かり易く(特に外国人観光客に)するための駅名変更もあった。
阪急電鉄 |
梅田 | 大阪梅田 |
三宮 | 神戸三宮 | |
河原町 | 京都河原町 | |
阪神電鉄 |
梅田 | 大阪梅田 |
三宮 | 神戸三宮 | |
近畿日本鉄道 |
上本町 | 大阪上本町 |
近鉄難波 | 大阪難波 |
「梅田」「難波」「上本町」は大阪、「三宮」は神戸、「河原町」は京都であることがよく分かる。
首都圏・大阪圏以外の地方にも目を凝らせばまだまだ駅名変更はある。機会があれば紹介したい。